佳き日に




「ッ!」

的確に一発、萩の足を貫いた。

萩の足から血が噴き出す。

足を引きずりながらも萩は俊敏な動きで後ろに飛び退く。
おそらく、狙撃手からは狙えない角度まで部屋の奥へ行ったのだろう。

琥珀はこのビルから逃げればいいのか、それとも萩と同じように狙撃手から狙えない位置に移動すればいいのか迷った。

しかし、萩のギラギラと殺気立つ目に足が硬直する。

ふっと萩が腕を曲げた。

ナイフを、投げてくる気だ。

狙撃手と萩の板ばさみにされ、琥珀はどうしようもできない。

その時、空気を切り裂くように、また。

パンッ、パンッ、と。


「……え!?」



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