佳き日に



銃弾は始めは見当違いな方、壁に当たった。
だが、キンッと反射。

跳ね返って、萩のナイフを持つ手を貫いた。
萩の目が見開かれる。

跳弾。

何はともあれ、これは逃げるチャンスだと琥珀は思った。
狙撃手は、琥珀の味方だ。

雪か閏か琴なのかは分からないが、二発ともキッチリ萩に当たっている。

味方がいる心強さか、琥珀の足はさっきまでのが嘘のようにロケットのようにスタートをきれた。



転がるように割れた窓からビルを抜け、猛スピードで走り出す。

とにかく足を動かして、萩から離れられるように。

道なんて分からないから、とにかく走って走って。

それでも、ペタペタと裸足の萩の走る音が後ろから聞こえてきて、琥珀は息も絶え絶え走る。


< 297 / 627 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop