佳き日に
銃弾は始めは見当違いな方、壁に当たった。
だが、キンッと反射。
跳ね返って、萩のナイフを持つ手を貫いた。
萩の目が見開かれる。
跳弾。
何はともあれ、これは逃げるチャンスだと琥珀は思った。
狙撃手は、琥珀の味方だ。
雪か閏か琴なのかは分からないが、二発ともキッチリ萩に当たっている。
味方がいる心強さか、琥珀の足はさっきまでのが嘘のようにロケットのようにスタートをきれた。
転がるように割れた窓からビルを抜け、猛スピードで走り出す。
とにかく足を動かして、萩から離れられるように。
道なんて分からないから、とにかく走って走って。
それでも、ペタペタと裸足の萩の走る音が後ろから聞こえてきて、琥珀は息も絶え絶え走る。