佳き日に
「で、菘、お前なんで来たんだよ。」
どこか不満気に顎を突き出し鉛丹がそう言う。
刺々しいその態度に菘の雰囲気が冷たくなる。
「なんでって、危険を教えに来てあげたんだよ。」
「危険、ですか。」
「椿が赤い女に殺されて情報交換の中枢を失った俺らの今の状況よりも危険ってか?」
いつになく挑発的な鉛丹。
焦っているようにも感じられた。
「うん、そう。椿がいなくなったこと以上に危険。私たちが、警察に狙われてる。」
「そんなの当たり前じゃないですか。」
「特定されてるの。私と、桔梗と鉛丹をまず始めに殺すつもりらしい。」
「それは危険ですね。」
「でしょう。」
なかなか事態は複雑になっているようだ。
今まではどのメモリーズでもいいから殺していく方針だったのに、今度は狙いを定めてきた警察。
指揮する者が代わったとか、そういった変化があったのだろうか、と桔梗は考えた。