佳き日に
「雪先輩って、雨さんと同じように盗む記憶選べるんですか?」
「あぁ。言ってなかったか?」
「聞いてません。」
あのとき閏は確か怒る気も失せて笑ってしまったような気がする。
雪はどんな顔をしていただろうか。
閏は考えながらテレビの電源を入れる。
始めは要らないだろうと思っていたテレビだが、あると意外と重宝した。
暇つぶしには最適だ。
録画リストを出して何を見ようか考える。
なんとなく目についた、雪が読んでいた本が原作だという映画を選び再生ボタンを押す。
そのとき琥珀が部屋に入ってきた。
脇には分厚い雨の日記を抱えて。
しおりが挟んであるのを見るともう半分以上は読んでいるようだ。