佳き日に





「雪先輩って、雨さんと同じように盗む記憶選べるんですか?」

「あぁ。言ってなかったか?」

「聞いてません。」

あのとき閏は確か怒る気も失せて笑ってしまったような気がする。
雪はどんな顔をしていただろうか。

閏は考えながらテレビの電源を入れる。

始めは要らないだろうと思っていたテレビだが、あると意外と重宝した。
暇つぶしには最適だ。

録画リストを出して何を見ようか考える。
なんとなく目についた、雪が読んでいた本が原作だという映画を選び再生ボタンを押す。

そのとき琥珀が部屋に入ってきた。
脇には分厚い雨の日記を抱えて。
しおりが挟んであるのを見るともう半分以上は読んでいるようだ。



< 404 / 627 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop