佳き日に



「琴は時間ギリギリに来るだろうな。」

「でしょうね。」

「待っている時間はないから簡潔に話すぞ。」

「雪先輩が急いでいるなんてめずらしいですね。」

あくまで自分のペースを突き通すのが通常運転な雪の口から時間がないなんて言葉を聞くとは。
閏は心の中で驚いた。
顔は眉一つ動かさなかったが。

ただ、雪が急ぐほどの大変なことが起きていることは気になった。
元々、雪、閏、琴の三人は警察に協力してメモリーズを殺すことを本当の職にしている訳だから、けっこう危ない立場にいるのだ。
もし本当の職がバレたら、日本中のメモリーズから命を狙われるハメになるだろう。

万を満たしたように雪が口を開く。



「・・・・バレてたんだ。」

嫌な予感がした。

閏は背筋がスッと冷えていくのを感じた。

「俺たちのことが、椿にバレてた。」




・・・・最悪の状況だ。




テーブルの上にある冷めきったコーヒーを見ながら閏は呆然とした。




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