佳き日に




[1]






琥珀たちが今いる家から歩いて十五分のところにエナカの家はある。
琥珀の予想が正しければ赤い女はエナカだ。


「全員で言って問い詰めるか。」

雪はそう言ってからやることは早めに終わらせたいのか早朝に出発しようと提案した。
朝に弱い閏は嫌そうな顔をし、琴は不満をギャーギャー言っていた。

それでも結局は雪の提案が受け入れられて、この三人のヒエラルキーはやはり雪が上なのだ。

琥珀はできれば赤い女に会った後学校に行きたいので鞄を持つ。
中には雪から預けられた雨の日記が入っている。

日記を赤い女に渡すことが最重要事項。
つまり、この日記は絶対失くしてはならない。
そう考えただけで鞄がズシッと重くなったような気がした。


「朝の光って眩しいですね。」

隣で目をしょぼしょぼさせて閏はそう呟いた。
さらにその隣では琴が大きな欠伸をしている。

チュンチュンと小鳥の鳴き声がする。
確かにこんな早い時間から起きている閏と琴は見たことがない。

いつもと違う時間に起きるのは辛いだろうな、と琥珀は二人を見ながら思う。



< 455 / 627 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop