佳き日に
「あんたは結局何が言いたいの?」
「信じてほしいんです、俺のこと。」
やけに真剣な声に、エナカはようやく白川の方を向いた。
「無理だね。あんた一回私を騙したじゃん。」
「あれはポーズです。」
「そもそも私、政府のやり方は気に食わないから政府の奴らの言うことには耳をかさないことにしてるの。」
「俺、もともと秘密警察に入ってたんです。」
まっすぐ見つめてくる目。
いつもヘラヘラしているイメージがあった白川だからか、違和感があった。
だが、辛そうにふせた目に虚偽があるとは思えなかった。
「打ち明けるのも恥ずかしい話なんですけど、それでエナカさんが信じてくれる可能性もあるのなら……」
そう言ってぎこちなく笑った白川。
しかしその目は笑ってなどおらず、ただ不安が揺れていた。
エナカは無表情にその目を見つめた。
笑いかけるなど、到底出来なかった。