佳き日に
「彼を追跡している部隊もいますのでご安心ください。彼がどこかの建物に入ったらすぐ爆破できるよう即時準備します。」
やけに事務的な口調だった。
冷たい物言い。
琴の頭に一番始めに浮かんだのは鉛丹に追われている琥珀のことだった。
もう捕まってしまっただろうか。
だが、仮に捕まっていたとしても鉛丹を追っている部隊がいるのなら琥珀の身も安全だろう。
警察ならきっと助けてくれるはずだ。
「一人人間が鉛丹に追われてるし。助けてやってくれ。」
サングラスをかけた男は彼のものなのか、黒い車に入り何やら無線で会話し始めた。
二言三言話しただけですぐ出てきたが。
「人間を助けることは出来ません。時間がないです。」
冷たく言い放たれた言葉に琴は耳を疑った。
「はぁ?こんな早い段階から一般人巻き込むのかよ。」
「鉛丹は他のメモリーズと違い第一目標ですので。どんな手を使っても殺さなければいけません。人間を助けているうちに逃げられてしまう可能性が大きいですし。」
ご了承ください、とその事務的な口調にイラッとした。
何の関係もない一般人を殺すことが仕方ないで済むわけないだろう。