佳き日に
男の言葉が終わらないうちに琴はナイフを投げていた。
男も同様に引き金を引いた。
パアンッと銃声。
左足が熱くなる。
撃たれた。
だが、男の左腕にもナイフが深々と突き刺さっていた。
左足から血がとめどなく溢れる。
足を負傷したことにより、琴の機動力はなくなったと相手は思ったのだろう。
動きがわずかに緩んだ。
その隙をついて、琴は一気に相手の懐へ飛び込み、ナイフを突き出す。
内臓を潰した感触がした。
ナイフを突き刺した身体がグラリと揺れる。
死んだな。
相手の身体は重力に従って倒れる。
やった。
琴は少し力を緩める。
「残念だったな。」
目の前に銃口があった。