佳き日に
[1]
一生のお願いだから、と言ってものを頼む人がいる。
何でもするから、と言って人にお願いをする人もいる。
私は後者だ。
だって、相手に何か頼む時は自分もちゃんと後で見返りをあげるから、と言ったほうが本気っぽいじゃないか。
ギブ&テイクだ。
私はその言葉がけっこう好きで、友達に対しても家族に対してもよく使っていた。
『なんでもするから宿題写させて』とか。
なんでもするから、かなり必死な感じで。
だから、あのときもいつものように言ってしまったのだ。
あの時の行動が正しかったのかどうかなんて分からないけれど。
渇いた銃声が辺りに響いた後、頭を撃たれた男はドサッと地面に倒れ込んだ。
死んでいる、と感じた琥珀は唐突に吐き気に見舞われる。
人が死んだというのに恐ろしいくらい周りは静寂を保っている。
その不気味さと恐怖で琥珀はまだ足を動かせていなかった。
ゆっくりと、
流れるような動作で黒い服を着た男がこちらを振り向く。
銃はまだその手の中にある。
やばい、やばい。
琥珀は焦るが、足が棒のように動かなくなっていた。
逃げられない。
黒い男の、少し茶色がかった瞳がこちらをまっすぐに見つめてきた。
意外なことに、男はまだ二十代くらいの年齢のようだった。
そしてもっと意外なことに、なかなかきれいな顔立ちをしていた。
もっと不気味な顔かと思っていたから少なからず驚いた。
両者ともに無言のままたっぷり五秒は見つめ合っただろう。
心臓がものすごい速さで冷えていく気がした。
一生のお願いだから、と言ってものを頼む人がいる。
何でもするから、と言って人にお願いをする人もいる。
私は後者だ。
だって、相手に何か頼む時は自分もちゃんと後で見返りをあげるから、と言ったほうが本気っぽいじゃないか。
ギブ&テイクだ。
私はその言葉がけっこう好きで、友達に対しても家族に対してもよく使っていた。
『なんでもするから宿題写させて』とか。
なんでもするから、かなり必死な感じで。
だから、あのときもいつものように言ってしまったのだ。
あの時の行動が正しかったのかどうかなんて分からないけれど。
渇いた銃声が辺りに響いた後、頭を撃たれた男はドサッと地面に倒れ込んだ。
死んでいる、と感じた琥珀は唐突に吐き気に見舞われる。
人が死んだというのに恐ろしいくらい周りは静寂を保っている。
その不気味さと恐怖で琥珀はまだ足を動かせていなかった。
ゆっくりと、
流れるような動作で黒い服を着た男がこちらを振り向く。
銃はまだその手の中にある。
やばい、やばい。
琥珀は焦るが、足が棒のように動かなくなっていた。
逃げられない。
黒い男の、少し茶色がかった瞳がこちらをまっすぐに見つめてきた。
意外なことに、男はまだ二十代くらいの年齢のようだった。
そしてもっと意外なことに、なかなかきれいな顔立ちをしていた。
もっと不気味な顔かと思っていたから少なからず驚いた。
両者ともに無言のままたっぷり五秒は見つめ合っただろう。
心臓がものすごい速さで冷えていく気がした。