佳き日に



ガチャ、と音がした。

いつのまにか黒い男が銃を私に向けていた。

やばい、殺される、死にたくない!



「・・・助けて」


震える唇でそう呟いていた。

だが、黒い男は私のそんな様子を意に介さず、指先に力を込める。


死にたくない。

誰にも言わないから。

私、まだ16年しか生きてないんです。

様々な哀れみをこう声が一瞬で頭の中を駆け回った。





だけど、人間土壇場では、いつもの癖がでてしまうものなのだろう。



私は狂ったように叫んでいた。





「何でもするから、殺さないで!!!」



< 8 / 627 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop