佳き日に
ガチャ、と音がした。
いつのまにか黒い男が銃を私に向けていた。
やばい、殺される、死にたくない!
「・・・助けて」
震える唇でそう呟いていた。
だが、黒い男は私のそんな様子を意に介さず、指先に力を込める。
死にたくない。
誰にも言わないから。
私、まだ16年しか生きてないんです。
様々な哀れみをこう声が一瞬で頭の中を駆け回った。
だけど、人間土壇場では、いつもの癖がでてしまうものなのだろう。
私は狂ったように叫んでいた。
「何でもするから、殺さないで!!!」