佳き日に
「赤い女本人は無理でも後継人なら殺せるって思ったのかな。」
「そうなのかねぇ・・・。」
椿は思案顔だ。
もしかしたら後継人とともに赤い女本人も殺すつもりかも。
菘はそう考え机の上にあった飴を口の中に放り込む。
「・・・・あ。」
「どうしたの?」
声につられて椿の方を見ると、やってしまった、とでも言いたげな顔で頭を抱えていた。
最近の椿は情緒不安定なのか。
今まで見たこともない椿の様子に菘はなんだか変な感じがした。
「雪も、そうだ。」
「雪?」
そうだって、何がどうなのだ。
菘は意味が分からず首を傾げる。
「雪も、赤い女に親を殺されてる。」
「え!?そうなの!?」
「確か、雪が生まれて一ヶ月もしないうちに殺されたはず。」
「初耳なんだけど。」
ってことは、雪は21歳より上なんだ。
もっと若いかと思っていた。
初めて知った雪の素性。
というか、他のメモリーズの生い立ちなんてほとんど知らないな、と菘は思った。
余計なことは言わない聞かないがスタンスのドライなメモリーズの対人関係だからこそ、こうしたふとした拍子にその余計なことを知るのが面白いと感じるのかもしれない。