男子校のお姫様

≪ここからは会長に代わって俺が説明する。まず俺は中等部生徒会副会長の高瀬だ。覚えとけ≫

・・・俺様・・・。

≪それじゃ、ゲームの説明をする。~~・・・・・・。以上≫

長い説明を聞き終えたあたしたちは息を吐いた。

「ほんとにこんなゲームやるの・・・?」

あたしはため息交じりにそう呟くと肩を落とした。

簡単にゲームの説明をすると・・・
・中等部は泥棒、高等部は警察となって追いかけっこをする。
・賞品は、警察はより多く泥棒を捕まえた人、もしくは、あたしを捕まえた人に。泥棒は最後まで逃げ切った人に与えられる。
・制限時間は1時間目開始のチャイムから、4時間目終了のチャイムまで。
・エリアは島全体。

男子校ならではの体力勝負・・・。

女子のあたしが逃げ切れるか・・・。

「佳音、俺から離れたらダメだよ。開始まであと10分・・・。あと数秒で琉生も来るよ」

慧が言い終わったのとほぼ同時に教室のドアが勢いよく開いた。

「やっぱりね」

慧はドアを開けた張本人に視線を向けるとそう呟いた。



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