男子校のお姫様
「佳音、俺と行こう!」
「お、お兄ちゃん!?」
ドアを開けて入ってきたのは琉生兄だった。
「・・・琉生、人の教室入ってきたとたん騒がないでくれる?」
慧がため息交じりに言った。
「あっ、慧。お前も一緒に行くぞっ!」
「言われなくてもそのつもりだけど」
慧がそういうと、今まで黙って事の成り行きを見守っていた光君が控えめに言った。
「慧、僕達も一緒に佳音ちゃんの護衛していい?」
「佳音を護ってくれるなら大歓迎だよ」
慧の言葉に嬉しそうな顔をした光君は、ヒロ達にも笑顔を向けていた。
「なら、俺達にもその役やらせろよ!」
突然そんな声が聞こえてきた。
視線を向けると、そこにはおそらく同じクラスの男の子が立っていた。
・・・なんで、こんなおブスちゃんを護りたがるのかさっぱりわかんないなぁ・・・。
あたしは1人頭に?を浮かべていた。