男子校のお姫様
「・・・お前が全く下心なしで言っているなら許可をしてもいいんだけどな・・・」
琉生兄の言葉に、その人は黙ってしまった。
「ってことで、俺等もう行くから~。お前等も早く散った方がいいと思うよ。あと5分だし」
慧はそういうと、あたしの手を引いて教室を出た。
その後ろを祥達が追いかけて来ている。
走っているせいで息が切れているあたしに対し、皆は余裕の表情で喋っていた・・・。
・・・あたし達は、それから少し進んだところにあった教室に入った。
「琉生さん、その鞄の中何入ってるんですか?」
「これ?パソコンだけど」
・・・なんでわざわざそんなもの持ち歩いてんの・・・?
「琉生、常に持ち歩いてるもんね。でもそのおかげで逃げ切れる確率が高くなったよ」
「?なんで?・・・・・・あ、ハッキングか」
慧の言葉に琉生兄は少しの間考えた後、謎解決とでも言いたげな顔でそう言った。
「ハッキングって何を・・・?」
「監視カメラだよ」
光君の言葉に、琉生兄がにやりとしながら答えた。