男子校のお姫様
・・・この学校ほんと謎・・・。
なんで、隠し扉なんてあるの・・・?
「ここだったら、見つかりにくいだろ」
慧はそう言うと、壁に立てかけてあったパイプ椅子を渡してくれた。
「ここでどのくらい時間稼げるかな・・・?」
光君が携帯で時間を確認しながら言った。
「さぁ・・・。少なくとも、10分は稼げるんじゃないかな?」
「10分かぁ・・・。それでも残り時間3時間半以上余るね」
慧の言葉にそう呟いた光君。
「そこはなんとか移動して稼ぐしかないだろ。見つかったら走って逃げればいい」
その光君の言葉に今度は祥君が答えた。
「でも、走るとなったら俺等は平気でも佳音がつらいんじゃ・・・?」
「ん?いや、佳音なら平気。こう見えて佳音足早いから」
「なら大丈夫だね」
ヒロの言葉に琉生兄が答えると、光君がかわいらしい笑顔でそう言った。
・・・そのかわいらしさ・・・羨ましいよ・・・。