イジワル社長と秘密の結婚
「あの、なにか用ですか?」

訝しげに見ると、蒼真さんはムッとした。一瞬、眉間にシワができた。

「そういう言い方はないだろう? 仕事はどうか、気になって聞こうと思ったんだ」

「仕事ですか? 特に変わりはないですけど……」

蒼真さんは、なにが聞きたいんだろう。いまいち意図が分からない私を、彼は引き寄せた。

腰に手を回し、今にも抱きしめられそうな勢いだ。

「そ、蒼真さん⁉︎」

こんな場所で、なにをするつもりなんだろう。動揺する私に、蒼真さんは不満そうに言った。

「俺と結婚して翌日の出勤……の割には、落ち着いた感じだな」

「それは……」

正直、会社に来ている方が気が楽だからだ。昨日の突然の結婚で、動揺していないわけじゃない。

だけど、あまりに無理やり過ぎて、会社にいるときはリアルに感じていないだけ。

ただ、こういうことをされると、意識する自分もいた。

「迫田課長のことを、ずいぶん意識してるみたいだな」

「えっ?」

そうか、さっきのナオたちとの会話を、聞かれていたんだっけ……。

「一応、今は俺がきみの“夫”だから。他の男を意識されるのは、プライドか許さない」

「な、なにを言っているんですか?」

すると蒼真さんは突然、私にキスをしてきた。




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