海☆恋




どうしてだろう…………。


どうして、二人が此処までしてくれているのに私のその手を握れないの?



こんなの前の私と変わらないじゃあ無い!



楓に連絡するって決めた…………アタックして振り向かせようって決めたのに



どうして、私は先に進めないのよ!



会わないとどうしょうも無いのに!



今回の事で、楓が私の病気の事を疑い始めているのが分かっているのに



何で私は、こんなに意気地なしなのよ!



自分でも、嫌になる。



私は、目に溜まり始めている涙を必死に唇を噛んで我慢した。



此処で泣いたらもっと駄目だから。



私が自分の殻を破らなくちゃいけないんだから!



私は、手を少し強めに握りしめると、顔を上げて二人を見つめ返した。



え?



私が、顔を上げると直ぐに目が合い微笑んでくれた。


まるで、私が顔を上げるのが分かっていたみたいに…………。



もしかして、ずっと待っていてくれたの?



私は、嬉しくて、たまらなくて、その笑顔に微笑み返した。



此処まで来ないと分からないなんて…………。



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