隣人は高校教師


「今日学校なの?」

チラリと彼を見つつ、わざとぷいっと顔を背けた。

「学生は忙しいんです!
誰かさんみたいに遊んでばっかいられないので」

「誰が遊んでばっかりだって?
俺は毎日毎日ストレス抱えて頑張ってんだぞー」

ストレス抱えてる人はそんな爽やかに笑ってられないし。
だらしなく着た部屋着さえオシャレに見えるのはやっぱり彼の特権だ。

「そうですか。
ま、あたしには関係のない事ですので、失礼します」

感じわりー。と後ろから聞こえてくる声も無視して、憂鬱な朝のまま憂鬱な学校へ向かう。

生気のない顔のサラリーマンを見ていると、こういう人をストレスを抱えてるというのよ!と心の中で彼に反論した。

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