愛は満ちる月のように
「本当に? 夢中になるほど、ユウさんも気持ちよかった? 私はどこも変じゃない?」

「変? 君は最高だよ。そう――色も、形も、感度も」


悠が笑いながら答えると、美月は眠気が一気に吹き飛んだ表情をする。


「な、なんてことを言うの? そんな……そんな、いやらしい言い方をするなんて……」


それは予想どおりの反応だった。

美月は怒ったように悠に背中を向けて、身体を起こそうとする。


「おいおい。君の象牙色の肌も、艶やかなボディラインも、肌に触れるだけで頬を染める可愛らしい反応も……最高だよって言いたかっただけなんだけどね。……あれ? ドコのことだと思ったのかな?」


クスクス笑いながら悠は起き上がり、美月の身体を背後から抱きしめた。手は自然と彼女の胸元に伸び、柔らかな胸を包み込む。


「ユウさんのイジワル!」

「もっとイジワルしてもいいかな?」


肩口に頬を寄せ、悠は甘えるようにささやく。


「家に帰るんじゃなかったの? それに、那智さんに電話は?」


本当なら美月から『もっと』と言わせたいのに……。ピシリと手を払われ睨まれては、おとなしく引き下がるよりほかない。


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