愛は満ちる月のように
「あっ! ダメ。それはダメよ」

「どうして? 大丈夫だって」


悠は笑いながら手を伸ばした。


「そんなにイジワルばっかりしないで。私はこっちのほうが好きなんだもの」


無意識かどうかわからないが、美月は手を悠の太ももに置き、身を乗り出した。

ごく自然に美月の豊かなバストが腕に押し当てられる。


悠は言いなりになってしまいそうな気持ちを振り払おうと必死になり、


「好き嫌いはダメだよ、美月ちゃん。ほら、僕を信じて口を開けて……」


ソレを自分の手で掴み、彼女の口もとまで持っていく。


「少し生臭いかもしれないけど……飲み込むときのとろっとした感触は一度味わうとクセになるんだ」


彼女は仕方なさそうに口を開け……悠に言われるまま口に含んだ。


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