愛は満ちる月のように

(6)十五夜の告白―2

美月のもたらす官能に、悠は早々に降参する。

次の瞬間、そこが自宅でないことを承知で、美月をソファに組み伏せていた。


「無茶も……いいところだ。君って人は……」


重なる吐息の隙間から、悠は抗議の声を上げる。


だが美月は、


「ユ……ウさんが教えた、のよ……全部、ユウさんの……せい……」


ワンピースの前ボタンが数個外され、そこから覗く柔らかな双丘が激しく上下していた。

そんなものを目にして抑えられる訳がない。悠は下着を押し退けると、唇を押し当てていた。

一度美月の身体に触れてしまったら、止まらなくなることは目に見えている。


(那智さんが様子を見に戻ってきませんように)



開いたままのカーテン――ガラス越しに、ふたりは月の光を浴びて愛し合った。


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