校舎裏には秘密がある
「……春樹の馬鹿……馬鹿馬鹿!」
彼女は泣きたいのを我慢していた。
「泣くな! 優花は笑顔が一番だって言ってるだろ! 笑え!」
「うう……」
彼女は目を擦り、にこりと微笑んだ。
「うん、それで良い!」
俺は彼女の頭を撫でようとしたが、彼女は後退りした。
「ごめん、触られるの嫌いなの」
「あっ、そっか。ごめんな知らなくて」
彼女との間に、少し気まずい空気が流れた。
「後5日だね。今日のミッション言っちゃっていいですか?」
「おう! 何でもこい!」
彼女は人差し指を俺に向けた。
「今日のミッションは、クラスの人を笑わせることです」
「笑わせるって、どうやってだよ?」
「それは自分で考えなきゃ駄目だよ。では、今日も1日頑張ってらっしゃい!」
彼女に笑顔で見送られながら、俺はクラスの人を笑わせる方法を考えていた。