クロス†ハーツ
「…今日風紀の集まりなんだけど」
あれから何日か経って、一緒に帰ろうと誘って来た小夜に、私は少し睨みつけながら言った。
すると、小夜は一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに笑って。
「そっかー、残念!待っててあげようか?」
妙に明るい声で応えてきた。
私はさらに小夜を睨んで。
「…わざとらしい」
「う、嘘だよ…!?ごめんね、凛。頑張ってね。本当に待ってようか?」
小夜がいきなり態度を変えるから、私も睨むのを止めた。
「いいよ、子供じゃないし。目立たないように、顔伏せて時間が経つのを待ってるから」
「そっか。じゃ頑張って」
「うん、ばいばい」
手を振って小夜と別れ、私はため息を吐いて風紀委員会の集合場所に向かった。
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ガラッ
ここは風紀委員候補の中から、委員を決める集会の集合場所。
扉が開く音と共に、3人の生徒が入って来た。
委員候補の生徒全員が、さっきまでしていた雑談を中止した。
うわ…、これが風紀委員…。
心で思ったことを、口に出しそうになった。
全員オーラがあって、騒がれる理由も分かる気がする。
私は呆気にとられ、しばらく口をあけたままになっていた。