クロス†ハーツ
やっぱり私に、とばっちりが来るんだ…!
葵、覚えてなさいよ…!?
心の中で、葵に罵倒していると。
『それでは次に、高等部風紀委員会の方々に出て頂きます!』
「わ、来た…」
司会者の声に、一気に緊張が高まる。
「雨宮…」
「え、何――」
私の後ろにいた水瀬に振り返ると、視界が一気に暗くなり温もりに包まれた。
「自然にやりゃ良いんだよ」
「え、あ、」
温もりはすぐに消えて、私の視界もすぐに明るくなった。
一瞬過ぎて状況を把握するのが追いつかなかった。
私は水瀬に、抱きしめられたんだ。
「…ありがと、頑張る」
「素直で気持ち悪い」
「は…!?」
自分でも驚くほど、自然に言葉が出た。
すぐに水瀬の無神経な言葉で、余韻なんてなかったけど、それも奴なりに緊張をほぐすためのことだとすぐに分かった。
私が水瀬の言葉に、口をぱくぱくさせていると、水瀬はふーっと息を吐き、そして。
「さ、行きましょう。雨宮さん」
笑顔で、私に手を差し出した。