桜空あかねの裏事情

「ジョエルの話だとアーネストさんが素性を調べて、その結果によってはすぐにスカウトするって」

「……スカウトってあの男がすんのか?」

「多分」


あかねはただ頷く。


「ジョエルはオルディネのトップ代理みたいだから、普通にそうじゃない?」

「あ、そうか」

「桜空さん、香住くん」


会話の途中で朔姫が二人に声を掛ける。
左手には一枚のプリントとシャーペンを持っている。


「どうしたの?」

「先生が林間の班が決まったところは、このプリントに書いて提出するようにって」

「りょーかい!」

「あかね、オレの名前もよろ」

「はいよ」


朔姫からプリントを受け取ると、あかねは名前を書き始める。
言われた通り昶の名前も書くと、まだ朔姫の名前が書かれてない事に気付く。


「山川さんの名前も書いておくね」

「あ……ありがとう」


彼女の名前を書き終わると、あかねはプリントを再び朔姫に返す。


「へぇ……ここ三人なんスか」

「そう…………は?」


第三者の声を不振に思ったあかねが見上げれば、にこやかな笑顔をした瀬々の姿があった。


「おはよう、桜空さん」

「……もう五限なんだけど」

「寝坊ッスよ」


.
< 228 / 782 >

この作品をシェア

pagetop