桜空あかねの裏事情
「ジョエルの話だとアーネストさんが素性を調べて、その結果によってはすぐにスカウトするって」
「……スカウトってあの男がすんのか?」
「多分」
あかねはただ頷く。
「ジョエルはオルディネのトップ代理みたいだから、普通にそうじゃない?」
「あ、そうか」
「桜空さん、香住くん」
会話の途中で朔姫が二人に声を掛ける。
左手には一枚のプリントとシャーペンを持っている。
「どうしたの?」
「先生が林間の班が決まったところは、このプリントに書いて提出するようにって」
「りょーかい!」
「あかね、オレの名前もよろ」
「はいよ」
朔姫からプリントを受け取ると、あかねは名前を書き始める。
言われた通り昶の名前も書くと、まだ朔姫の名前が書かれてない事に気付く。
「山川さんの名前も書いておくね」
「あ……ありがとう」
彼女の名前を書き終わると、あかねはプリントを再び朔姫に返す。
「へぇ……ここ三人なんスか」
「そう…………は?」
第三者の声を不振に思ったあかねが見上げれば、にこやかな笑顔をした瀬々の姿があった。
「おはよう、桜空さん」
「……もう五限なんだけど」
「寝坊ッスよ」
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