桜空あかねの裏事情

またアーネストの異能は情報収集など探索能力だが、もしかしたら情報の改竄なども出来るのかも知れない。
もしジョエルとアーネストが組んでいるなら、瀬々の言う事も事実だろう。


「変な事聞くけど、桜空さんってもしかしてジョエルさんの」

「それはない、絶対」


言うが早いか、あかねは凄まじい勢いで否定する。
流石に瀬々も悪いと思ったのか、すぐに謝罪の言葉を述べる。


「ごめん。そうッスよね。最近、年の差婚とか流行ってるからってそれはないッスよね」

「うん。分かってくれて助かるよ」


満足げに言う彼女に対し、瀬々は軽く笑って隣の机に腰掛ける。


「まぁそんなこんなで、俺は桜空さんと仲良くしたいなぁとか思っちゃったりして」

「私は遠慮したいかな」

「まぁそう言わずに」

「はぁ……あ」


そこでようやく昶の存在が目に入る。
瀬々と話してから彼の存在に気付いてなかったが、昶はあかねを心配そうに見つめていた。
目が合うと昶は少しだけ笑うと、様子を伺いながら控えめに口を開いた。


「話はよく分かんねーけど、大丈夫か?」

「あ、うん。大丈夫」


笑顔で答えれば、昶はほっとしたように顔を綻ばせる。


「ほーこれが友情ってヤツすか。なるほど」


穏やかな雰囲気をぶち壊すように出てきた瀬々の一言。

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