桜空あかねの裏事情

戸松駅 周辺



「やれやれ……困ったものだねぇ。調べて欲しい事があると言われて着いて来てみれば、行き先は養成所か。しかも対象は女性ではなく男性とはね。君の人使いの荒さは、もはや異常だ」

「黙れ」

「自覚してるなら直したらどうだい?サングラスに隠れた君の素顔は、なかなかのモノなのに勿体ない」

「生憎だが、お前のように寄ってくる女をいちいち相手にしてる暇などない上に、興味すらないな」

「ははっ違いない。だが女性は、想像以上に素晴らしいものだよ」

「お前が言ったところで説得力の欠片も無いがな。まぁお嬢さんや朔姫に手を出さなければ、私には関係のない事だ」

「二人はまだこれからだからね。少なくとも、あと二年は待つさ」

「下らん。何年経とうが、お嬢さんは変わらないと思うがね」

「ふふ。そんなに大切なら、もっと優しくしてあげればいいのに」

「……お前に言われる事ではない。それに今更、お嬢さんに優しくすれば気味悪がられるだけだ」

「おや?大切なのは否定しないんだ」

「否定したところで、お前は聞く耳を持つまい」

「そうだね」


横断歩道まで歩いたところで、平行線のような会話がようやく途切れる。
信号が変わり歩き始め、歩道を渡り終えるとアーネストは再び口を開く。


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