桜空あかねの裏事情

黎明館


放課後は特に予定もなく、朔姫と共に帰宅したあかね。
部屋に戻り林間のしおりを鞄から取り出し、読んだりしながら、夕食までのんびりと過ごしていたが、朔姫に呼び出され着いて行くと、何故か二階の結祈の部屋へ誘われる。

不思議な事に彼の部屋には水色と黒、二つのボストンバックが並べて置かれている。
そして今日渡された林間のしおりを片手に楽しげな表情の結祈の姿があった。



「お待ちしておりました」

「はぁ……」


不思議な光景に気を取られ過ぎていて、間抜けた返事をするあかね。


「朔姫から聞きました。明後日から林間のようですね」

「うん。そうだよ」

「しおりを読む限り、新入生達の親睦を深める為の行事のようですね。楽しんできて下さいね」

「ありがとう」


そう言いながらも、あかねの視線は目の前にあるボストンバックにあり、それに気付いた結祈は一層楽しげに微笑む。


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