桜空あかねの裏事情

「…どういう事?」

「あれ?聞いてないの?」


意図が掴めていない泰牙に対し、陸人が目を丸くし尋ねる。


「聞いてないというか、リーデルって?」


聞いた事のない単語について追求すれば、陸人はやけな納得したように頷いた。


「あーそっかそっか。リーデルっていうのは、リーダーって事だよ。この呼び名は、オルディネ特有だから、分かりづらいよねー」

「ああ、なるほど………あれ?って事は」


話を聞いた泰牙は、ある事実に辿り着く。


「あかねちゃんがこのチームの頂点なの?」


だから彼等はあんなにも必死になっていたのか。と思うのと同時に、すごいね。と呟けば、陸人は心底不服そうな顔をした。


「正式には候補だけどね」

「でもいずれはなるんでしょ?」

「どうだか。ま、彼女が条件をクリア出来たら、なるんじゃないの?」

「条件?」

「そ、条件」


そう言って陸人は条件の内容を話し始めた。
条件は二つあって、一つは彼女がリーデルとなる事を反対している者達から認めてもらう事。
もう一つは無所属の異能者を所属させ、賛成派を過半数にする事であった。


「リーデル申請書の期限は六月の初旬だけど、その前にランキング戦と会議があるから、五月末日までにあかねちゃんはどちらかの条件を満たさないといけない。出来なければリーデルにはなれないし、何よりオルディネは解散しちゃうんだよね」

「なるほどねぇ。何だかあかねちゃんが可哀想に思えてくるよ」


反対派がどれくらいいるのかはさておき、全員に認めてもらうとは至難だ。
特に目の前にいる陸人は、恐らく頑固で人の意見に耳を傾けない性格だろう。
ひいては彼女がリーデルになる事に嫌悪を含んでいるようだから、是が非でも認めたりはしないだろう。
となると無所属の異能者を所属させる事になるが、確かに効率が良いとは思う。

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