桜空あかねの裏事情
だが解散を目前としているのなら、恐らく探しているのはそこらの異能者ではなく、ある程度実力がある異能者を探しているのだろう。
『危ないのは今だけ』
『素直に諦める事はしない』
そう言った彼女の言葉から察して、オルディネ解散を回避し、更には巻き返しを狙っていると泰牙は推測する。
「可哀想って言ったって、あの子自身が決めた事だからね」
「そうは言ってもねぇ……」
知識も経験もない年端もいかない少女に、命運を任せるなんて、いくら本人が決めたとしても無責任だと思える。
周りはそれに対し不安を覚えるだろうが、任せられた本人はそれ以上に不安なはずだ。
「ちなみに今はどんな感じなの?」
「んーと、とりあえず反対派はそのまま保留?まぁ一人、…いや二人減るかもだけど。無所属は二人集めたって感じかな」
「うーん。なんか芳しくない感じだね」
反対派が賛成派になれば、後者の条件は満たす事が出来るが、必ずしもそうなるとは限らない。
しかしも残り三人集めるとするなら、日数が足りない。
それとも既に目星はつけてあるのか。
――……まさか。
「まぁ過半数って事は5人は必要だからねー。肝心のあかねちゃんはいないし、ここから後3人どうするのか、ボクからしたら見物だよ」
「………」
「ん?どうかした?」
突然黙り込んだ泰牙に陸人は表情を伺いながら、首を傾げる。
「…ちょっと変な事聞くけど」
「うん?」
「今の話って、俺にとって良い話?それとも悪い話?」
「は?」
泰牙の流れを切るような問いかけに、陸人は予想もしていなかったのか怪訝そうな表情を浮かべる。
「何言ってんの?今はあかねちゃんの話をしてて、良いとか悪いとかそういう問題じゃなくない?」
「ああ、そうだよね。じゃあ聞き方を変えるよ……あかねちゃんは、俺をオルディネに入れるつもりなんだね?」
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