桜空あかねの裏事情

ヴィオレット




「はむ。〜っ!!うめぇ!!肉汁が染みて、生き返るって感じだぜ!」


高らかに昶の声が響く。
あかねが連絡を入れて数分もしない内に、昶やギネヴィアから承諾のメールが届き、二時間後には全員ヴィオレットに集まって、夕食を取りながら、談笑を楽しんでいた。


「肉汁って…微妙」

「微妙って、ヴィオレット特製ステーキ美味いじゃん!」

「そうだけど。そんなに勉強会はキツかったの?」

「キツかったってどこじゃねーよ!朔姫と信乃は、間違いなくオレを殺しにかかってた」

「そんな事ない。私はきちんと教えてただけ。真面目に勉強しない昶が悪い」


昶は切実と訴えるが、すかさず朔姫が冷ややかに訂正する。


「昶は勉強しないよね」

「あかねだってそうだろ。席が後ろだからって、周りのヤツらと話してんじゃん。オレ知ってる」

「いや、一番前で堂々と寝るよりマシだわ」

「……どっちもどっちだと思うわ」

「全くだ」


朔姫の呟きに、隣で聞いていた駿も同意しながら頷く。


「君達は一体、何をしに学校に行ってるんだ」

「何って、そりゃあ……勉強したり遊んだりっすかね?あと寝たり?」

「総じて青春ですよ」

「お!それかっけー!」


反省の色すら見せず、会話を弾ませ勝手に盛り上がるあかねと昶。
それでもなお小言を言い続ける朔姫の傍ら、駿は悩ましげに頭を抱え始める。


「そういえば、泰牙さんとギネヴィアさんって養成所に行ったんですよね?どうでした?」


駿を気にする事もなく、あかねは向かいに座る二人に話し掛ける。


「思ってたより良かったわ。ちゃんとしたカリキュラムもあって、何より生徒チャン達が可愛かったし」

「そうそう!駿が終始振り回されててね!すっごく楽しかったよ!」

「何を……俺は振り回されてなどいない」

「あらあら、駿ったら強がっちゃって。好き勝手な生徒チャン達に手を焼いてたじゃないの」


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