桜空あかねの裏事情

話を聞いて、あかねは駿に初めて会った日の事を思い出す。


「確かに初めて会った時もそんな感じでしたね。というか葛城さんって、比較的女子に甘いというか」

「ええ?そうなの?」

「その話、詳しく聞かせてくれないかな?」


目を丸くする泰牙と、今まで結祈と話していたアーネストが食いつく。


「詳しくっていうか、見学してる時に思っただけなんですけどね。あ、でもユノちゃん……養成所の生徒さんから聞いた話なんですけど、女子には怒らないみたいですよ」

「オレそれ知ってる!男尊女卑の逆!つまり差別だ!」

「強ち間違ってはいませんが、それを言うなら女尊男卑かと…」


結祈がやんわりと言うものの、昶はまるで聞いてないかのように話を続ける。


「でも駿センパイ厳しくね?寝てると普通に殴るし」

「当然だ。君達は一応生徒ではあるが、チームの一員だからな。それに」


駿は言い掛けて、ちらりとあかねを一瞥する。


「特に彼女は、リーデルというチームの柱になる存在だ。厳しく指導するのは当然だろう」

「うわぁ…でもあかねはオレより立派じゃん」

「だがリーデルとしてはままならない。今のままでは、後ろ指を指されるに違いない」

「あはは……」


駿の何気ない言葉に、あかねは笑みを浮かべつつも、表情が硬くなっていく。


「ねぇねぇ、あかねちゃん」

「はい」

「俺さー、携帯電話ってのが欲しくなっちゃったんだけど、お店が色々あるんだって?」

「そうですね。ToCoMoとかouとかありますよ」


あかねが答えれば、泰牙は揚々と目を輝かせた。


「そうなんだ!ちなみにあかねちゃん達はどこのお店の?」

「私はToCoMoです」

「オレもオレも!」

「俺もだ」

「私はHardBank」

「アタシはouよ」

「自分もです」

「今は持ってないけど、前はToCoMoとouの二つ持ちだったよ」

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