桜空あかねの裏事情
「あらら……みんな違うんだね。ますます迷っちゃうよ」
「そうねぇ。みんな一緒に買ったわけじゃないし。陸人は確かHardBankだったわね」
「ジョエル殿は?」
「ジョエルは……確か…」
泰牙のさり気ない問いに、ギネヴィアは次第に言葉に詰まっていく。
「…何だったかしらね。誰か知ってる?」
「知らないっす。つかジョエルが携帯使ってるとこ、オレ見たことない」
「私も。朔姫は?」
「ないわ。結祈なら知ってるんじゃないかしら」
あかねと昶、朔姫は一斉に結祈に期待の視線を向ける。
しかしその期待とは裏腹に、結祈はぎこちなく苦笑した。
「ええと、所持していた記憶はあるのですが……その、機種までは覚えてはいなくて」
「そうなのかぁ……でも一応持ってるってことか。意外だな」
「だよね。いっつも部屋に引きこもって本ばっか読んでるし、機械オンチっぽいのに。というか目が悪そう」
さり気なくあかねが呟くと、一瞬にして辺りが静まり返る。
「えっと……何かまずいこと言いました?」
「あかねちゃんったら、見かけによらず豪胆なのねぇ」
「え?」
「あなたのそういうところ、ある意味凄いと思う」
「朔姫まで……」
ギネヴィアの言葉に首を傾げると、朔姫にまで言われてしまい、あかねは戸惑いを隠せなかった。
「やっぱり君って、面白いよねー!ホント良い根性してると思うよ……ぷぷっ!」
「ちょっと泰牙さん!それどういう意味ですか!?」
問い詰めても、泰牙は答えるどころか笑うだけで、更には駿や朔姫までも肩を震わせ笑い出す。
「もう……一体なんなの」
一人だけ状況を飲み込めないあかねは、ただそう言葉を零すしかなかった。
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