○○彼氏。【完】

─叶汰side─


「別れよう」


高校1年生のある日、俺は中学生の頃から付き合っていた彼女と空き教室にいた。


そんな彼女がたった今持ち出してきた別れ話は、あまりにも突然すぎて。


「え・・・・・なんで」


と、一言しか言えなかった。


「他に好きな人できたの」


「誰、それ」


混乱する頭で必死に考え、言葉を繋ぐ。


「1つ上の先輩。優しくてかっこいいし、しかも最近いい感じだし」


予想外の質問に、俺はただ呆然とするしかなかった。



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