わたしの魔法使い
「散歩って、どこまで行くの?」

「さぁ、足の向くまま、気の向くまま?」

「何それ!」

「何だろうね~。」


腕を組み、楽しそうに先を歩く颯太さん。

その姿は、散歩を楽しむゴン太と一緒!



そうか~、颯太さんはゴン太と一緒か~。



本人に言ったら、「絶対違う!!」って言いそうだけど。

でも、やっぱり一緒だよ。

楽しそうに、キョロキョロ、ウロウロしちゃって。

そのうち、マーキングでもする?


「…――しないよ」

「――!!」

「ゴン太じゃないから…」


聞こえてた…っていうか、独り言、言ってたんだ…

声に出したつもり、なかったのに…不覚…



“気を付けよう。暗い夜道と独り言。”




…じゃなくて!


「ごめんね…」

「いいよ~。ぜんっぜん気にしてないから~」


そう言って振り返る颯太さん。


…気にしてるじゃん…目、笑ってないもん…


こ、怖いよ~


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