わたしの魔法使い
茶色の瞳って、怒ると怖いんだよね。

色素が薄いからかな?怖さ倍増!!って感じ。

その茶色い瞳でジッと見つめられると、両手を上げて完全降伏な気分。



「ごめんなさい…」


もう一度謝るけど、相変わらず目は笑っていない。

ど、どうしよう…



「…どうしよっかな?」

「……」

「じゃあ。1個、僕の言うこと、聞いてもらおうかな?」



言うこと?何?変なこと?

それはそれで、結構怖いんですけど。


「…朱里ちゃんの好きな絵本って、何だった?」



今、絵本って言った?

許してもらう条件が、子供のころ好きだった絵本?



「…そんなんで、許してもらえるの?」

「許すよ~。もう怒ってないし?」


また、語尾を上げる!!

ほんっとにもう!!女の子みたいな話方して!!

…なんて、私が怒ってちゃいけないね。


そうそう、子供のころ好きだった絵本、ねぇ…


「う~ん…“しろいうさぎとくろいうさぎ”かな?」

「何で?」

「何でだろう?ハッピーエンドだから?」

「ふーん」


…その「ふーん」は何だ?


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