アンダーサイカ


警察ってワードを出してみても、ヨシヤは大して狼狽える様子はなかった。

テキパキと掃除をしながら、彼は答える。


「さっき言ったでしょう?僕はきみが食べたいんです。

…でもそれには少々時間の余裕がありません。
警備員の目もありますし、さっき耳にした通りこの斎珂駅地下街は時間に厳しいですからね。」


「私たちはアンダーサイカって呼ぶんだよ。」


「へえ、まったく最近の若者は横文字ばかり使いたがるんですから。」


この人は逆にジジくさい。

だんだん話がおかしな方向に逸れてきた。
でもハッキリしてるのは、彼に私を帰す気は無いってこと。
そして、今の彼には私をどうこうする暇が無いってこと。



―――どうしよう。


我ながら、本当に順応性の高さに溜め息が出そうだ。

ヨシヤの話が本当なら、拓くんと潤ちゃんは今頃警備員さんに捕まって地上へ送り届けられているはず。
今は深夜で朝までだいぶ時間があるから、お母さんに見つかる心配も要らなさそう。

すっかり手持ち無沙汰になった私は、少しこのヨシヤって人と話をしようと考えた。


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