ヤンデレパーティー


ついで、出会った時から三日は経っている。


都合良い調教場は『誰も来ない』という利点あるからこそ、脱獄犯には住み心地が良い場所なんだろう。


ただ、いつかはバレるかもしれないと一週間ほどで出ていくとクルキは公言している。


拳銃所持の脱獄犯に会いたくもないが、自身の調教場(縄張り)に居座るクルキを調教師は見過ごすわけにもいかなかった。


恐怖の欠落よりもいけ好かなさ。面白くなかった、我が家に勝手に居候ができた気分に近い。住みかを荒らされるのではないかと、今日もまたこうして調教師はこの一室に立ち寄ったのだ。


カチャカチャと銀の銃――調教師は銃の種類など知るよしもないが、大口径の銀銃はデザートイーグルという、聞けば「ああ」と言いそうな名前を持つ銃だ。


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