ヤンデレパーティー


夢にまで見たことだ。想いを隠さずとも、本音を欺かずとも、全てを抱き締めてくれるような時。


「なんで冬月まで泣くん。悪いのは兄ちゃんやろ」


苦笑いするような言葉に、冬月は「だって……」と涙を拭う。


続きの言葉を出そうとしたが、えずいて上手く出せない。


泣きじゃくるまでとはいかないが、嬉し涙で呼吸がきちんとできない。しゃくりをあげて苦しそうな冬月に、秋月は近寄ろうとしたが――冬月側が弾けるように下がった。


「っ、兄さん来ないでっ」


その行動が何を意味するかなど一目で分かった。


忌々しげに冬月は千刈刀を睨み、持っている右手首を左手で押さえつけている。


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