ヤンデレパーティー
苦悶し、抗うように歯を噛み締めて。
――さあ、殺せ。
「うるさい、黙れ、貴様あぁぁ!」
激昂した冬月の口から唾が飛ぶ。
飢えた獣ようだ、自制御ができぬと体を震わせている。
「ふゆ、冬月……!」
「来ないで、お願いだから!」
二の足、三の足とふらつく足取りで後ろに進む冬月。秋月と距離を取るためにしろ、木にぶつかりそこで止まる。
「こ、の……っ」
右手が鬱血するほどに握りしめ、包丁を離そうにも体の一部のように乖離せず、果ては囁く。
脳への伝達命令を書き換えながら、殺せ殺せと誘ってくるのだ。
「ふざけ……っ、ふざけるなっ!兄さんは僕を好きでいてくれたっ。なら、もう殺す必要なんかない!これから先、僕は想いを隠さず、兄さんと……っ、兄さんと生きていくのだから――」