ヤンデレパーティー


はらはらと舞う新緑の中、痛みにより虚ろになった意識。それでも闇の中の一点の光を見つめるがごとく。


「ぞくぞくするよ」


意識を無理矢理に保つ修羅がいた。


舞い上がる高揚。擬音に過ぎずとも、震え上がるほどに、鳥肌が立つほどに、冬月は興奮しているんだろう。


麻薬患者に似ていた。全てができると自信過剰になり、何でもしてしまう。


どんな痛みも省みず、ただこの興奮のままに、本能のままに体を動かす異常行為。


冬月にとっての異常行為は右手を壊すこと。要らない包丁と同化した右手を。


切り離しても良かったが、冬月にとってこの千刈刀は“もっと痛め付けたい悪”だ。


< 57 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop