ヤンデレパーティー


「だったら受け継いだ二人は男じゃない」


「今は昔みたく子沢山に産まれるわけやないし――ああ、いや、昔っから、おなごしか産まれんとこは、最後の手段として、おなごを男として育てることもあるんどすえ」


「え、じゃあ……」


「僕らも“それ”。ほんまはおなごなのに、家系を継ぐために男としている……とかあったらおもろいなぁ」


「ちょっとぉ、歯切れ悪い締め方しないでよ!」


「性別は秘密どすえ。迷う姉さんはかわええから、兄さんと内緒にしとこうって決めたんや」


「下らないことを取り決めないでよっ」


もうっ、とやっぱり謎のままかと依子は掃き掃除を再開した。


< 68 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop