ヤンデレパーティー
「だったら受け継いだ二人は男じゃない」
「今は昔みたく子沢山に産まれるわけやないし――ああ、いや、昔っから、おなごしか産まれんとこは、最後の手段として、おなごを男として育てることもあるんどすえ」
「え、じゃあ……」
「僕らも“それ”。ほんまはおなごなのに、家系を継ぐために男としている……とかあったらおもろいなぁ」
「ちょっとぉ、歯切れ悪い締め方しないでよ!」
「性別は秘密どすえ。迷う姉さんはかわええから、兄さんと内緒にしとこうって決めたんや」
「下らないことを取り決めないでよっ」
もうっ、とやっぱり謎のままかと依子は掃き掃除を再開した。