ヤンデレパーティー


汗と一文字入れただけで彼が危ない人に思えてきた。


――いや、笑顔で人を虐殺するような怖い人だけども。


怖いに気持ち悪いが混ざる。


「汗の匂い好きと公言するのはやめた方がいいですよ」


「ん?ああ、嫌だなぁ。誤解しないでよ。臭(くさ)いのが好きって訳じゃなくて、それがミナナの匂いだから好きなだけ。他の奴ら――害悪どもの汗だなんて、嗅いだだけで吐き気がする。

その点、ミナナだったら深呼吸しちゃうよ。俺はミナナの全てが好きだから、愛せるからね」


「ロマンチックなことを言っているつもりでも、よくよく考えれば変態思考ですからね……」


甘い言葉に惑わされないが、彼はその甘い言葉さえも本心を含む。


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