ヤンデレパーティー


(二)


風呂から上がり、タオルで頭を拭きながら部屋に戻れば、彼は律儀に辞書を引いていた。


「ほんと、調べているんですか……」


本大好きミナナは単語辞書も一つだけ持っている。彼はその場所まで把握していたか、一脚しかない椅子に座り、目を通していた。


「ああ、ミナナ。驚いたよ。いやらしいって、こそこそと何かする奴のことかと――周りに不快感与える奴に使う言葉だと思っていたけど、性的なことを露骨にする人のことも言うんだね」


まいった、無知蒙昧だと、彼は辞書を閉じた。本当に意味を知らなかったらしい。


確かに人間皆害悪精神の彼にとって、『影でこそこそとするいやらしい奴』なんて、自分に不快感を植え付ける奴への総評だ。


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