ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 どのくらい寝たのか分からないけど、ふと私は目を覚ました。あまりにお腹が空いて。


 部屋は真っ暗なので、まだ朝ではないらしい。部屋の明かりを点けて時計を見ると、日付が変わる少し前の夜中だった。


 もうみんな寝た頃だし、下に降りて冷蔵庫の中を漁ろうと思っていたら、コンコンと、遠慮がちにドアをノックする音がした。


 てっきりみんな寝てると思ったのに、誰だろう?


 私はドアに近付いて行き、「誰?」と聞いた。


「俺だよ。遅くに悪いけど、開けてくれないかな?」


 お父さんの声だった。普段はこういう事はまずないから、私の顔の事をお母さんから聞いて、それで来たのは間違いないと思う。


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