ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「お説教なら明日にして?」


 そうドア越しに言うと、


「そうじゃないんだ。差し入れを持って来たんだよ。彩花はお腹空いてるだろ?」


 それを聞き、私は即座に開錠してドアを開けた。


「ほんとに?」


「本当さ。ほら?」


 ドアの前にお父さんがいて、四角いトレーを持っていた。トレーには、おにぎりと卵焼きが乗ったお皿と、お味噌汁が乗っていた。ご丁寧におしぼりタオルまで乗っていた。


 お味噌汁からは白い湯気が立ち、お味噌とダシの美味しそうな香りがして、思わず私はゴクンと生唾を飲み込んだ。


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