ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜

「うわあ、ありがとう」


　そう言ってトレーを受け取ろうとしたら、「まあ、いいから」と言い、お父さんはトレーを持ったままそろりそろりと部屋に入って来た。そして、私がローテーブルの上を素早く片すと、お父さんはそこにトレーを静かに置いた。


「さあ、食べなさい」


「うん！」


　私はテーブルの前にペタッと座り、おしぼりで手をよく拭いてから海苔に包まった三角お結びを手に持ち、パクッとかじりついた。


「美味しいかい？」


　お父さんは、いつの間にか私のベッドに腰掛けていた。すぐに出て行ってほしかったけど、まあいいか。


「うん、美味しい。お父さんが握ってくれたの？」


「あ、ああ、そうだよ」


「へえー、上手だね？」