ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「そうか?」


「うん。よく三角に握れるね? 私がやると丸くなっちゃって……。中に何が入ってるの?」


「さあ……、何かな」


「え?」


「俺じゃないよ。俺も丸くしか握れない。お母さんが握ってくれたんだよ」


「お母さんが……?」


 私はそれを聞いて、一気にテンションが下がってしまった。


「お母さん、まだ起きてるの?」


「ああ。何度もこの部屋の様子を見に来て、やっと明かりが点いたから、俺にこれを持って来させたのさ」


 そうなんだ……。なんで自分で来なかったんだろう。

 そんな私の疑問が聞こえたのか、お父さんは、


「また彩花と言い争うのはイヤだって、言ってたよ」


 と教えてくれた。


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