ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 私はすぐに立ち上がると、中野君の席に向かって行った。急がないと、休み時間が終わっちゃう……


「中野君……」


 中野君は修平とサッカーか何かの話をしてたけど、時間がないのでそこに割り込む形で中野君に話し掛けた。


「なんだよ?」


 いかにも機嫌が悪そうな中野君の反応だけど、


「ちょっと耳を貸して」


 中野君を外に連れ出す時間もないので、私は彼の耳元に顔を近づけた。そして小声で、


「ちいちゃんから大事な話があるから、放課後中庭に行って?」


 と言った。


「俺に?」


「そうよ」


「本当に俺を指名した?」


「指名って、それはないけど、あんた以外に誰がいるのよ?」


 シツコク確認する中野君に私はイライラし、


「絶対に行ってよ? じゃあね」


 と言い放ち、中野君に背を向けた。


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